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インタビュー

インタビュー interview

167人のイラストレーター墨汁に挑む 今昔物語」展の企画・開催にあたり、 宇野亜喜良先生には、実行委員長として約2年前から準備を進めていただきした。 いよいよ6月5日より展覧会が開催されますが、まずは紹介及び抱負などをお話しいただきたいと存じます。

 この展覧会は、2009年6月に松屋銀座で開催された「150人のイラストレーター墨汁に挑む 墨一色展」のような企画をまた実現できないか、という発想から始まりました。墨(墨汁)は非常に日本的なもので、それと良くマッチする題材ということで、今昔物語を選びました。
 東京イラストレーターズ・ソサエティ(以下、TIS)では、2010年に「新訳 イソップ物語」展を開催し、同時に小学館から本を出版しましたが、今回もそれを前提に展覧会の企画を練りました。本としては色が入った方が好ましいので、墨色が基調ではありますが、会員それぞれが工夫、開明の金墨汁と銀墨汁やインクなどで多彩な作品が出来上がりました。
 なお、本は「167人のイラストレーターが描く 新版 今昔物語」。小学館刊。
定価2,520円。展覧会場や全国書店で販売しています。

*どのような点が見どころとなりますか?

 「今昔物語」というテーマを、昔でも現代でもイラストレーターとしてどのように描いているか、また2〜6人で1話を描くと言う点でも興味深い展覧会と本になると期待します。また、墨汁を基本に使って自由に描くということを会員に呼びかけましたが、墨汁だけでも青系、茶系の色を出したり、意欲的な作品が集まりました。

*宇野先生と墨、墨汁との出会いはいつごろでしょうか?

 中学・高校時代に水墨画を習い、水を含ませた太い筆の先に墨をつけて滲ませたり、更に先に墨を入れて斜めに描くとグラデーションになるという面白さを見つけ、墨の面白さを知りました。
 イラストレーターになり、墨の味に流れると形より滲みに行き、偶然性があり過ぎて的確な形態が描けないと考え、墨や墨汁を使わなくなりました。しかし「墨一色展」以来、スミベタに墨汁を使用することが増えました。
 「たらしこみ」という技法も、偶然さを計算づくで創るという行為で、ナチュラルさまで計算して演出するという面白みがあります。
 墨と人間の関係は、日本人の場合は強いと思われます。これはDNAに関係がありそうです。中国とはちがう、日本独特の墨の使い方に美学があるように思います。

*日本の文化と墨(墨汁)の関連について、もう少しお話しをうかがいたいと存じます。

 日本では「かな」文字がまず生まれ、「カタカナ」に発展しましたが、これも墨の美学と大いに関連があると思います。日本人が発見した字の起源を想像すると興味深く、例えば「イ」はにんべんから、「呂」はくずしてかな(ろ)になり、字の1片をとってカタカナ(ロ)、波から(は)や(ハ)になりというように展開します。このような文字の始まりに墨は大きく影響を持っていると思います。

 最近は絵手紙が流行っていますが、ヘタでも良いという考えから多くの人に楽しまれています。墨汁も、硯が無くてもすぐにかける、という点で、絵手紙にも多く使われているのではないでしょうか。

*宇野亜喜良先生はインクを使われることが多いとうかがっておりますが、墨汁は使いにくい素材ですか?

 墨汁をベタ塗りに使うこともあります。テカリやムラが出ず、墨汁の方がマットに描けるので良いです。イラストレーターは自分の思想や感覚を表現して受け入れてもらうのではなく、テーマが決まっていることが多いのです。挿絵なども好きな作家の作品のものだけを描くわけではありません。TISの会員も、今回のように「墨汁を使う」と決まったら競争で使います。
 今回の出品作は、ぼかしを墨汁を水で薄めて手でのばしたり、丁寧に作り上げました。ひと筆でぼかすのではなく、また偶然のぼかしではなく、人工的にぼかしを作り出すのが面白かったです。
「たらしこみ」という技法も、偶然さを計算づくで創るという行為で、ナチュラルさまで計算して演出するという面白みがありますが、これと同じです。

*結びにひと言お願いします。

 「墨汁で描く」ということは、TISの会員の中でも、2009年6月の「墨一色展」で初めて経験した人も多かったと思いますが、皆、墨汁の楽しさを味わいながら制作することができました。それが今回の開明墨汁との2回目の展覧会に繋がったと思います。
是非会場にいらしてください。

*ありがとうございました。

 
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